誹謗中傷ブロガー広尾晃の痛い発言を検証する

アクセス数稼ぎのためにプロ野球選手を誹謗中傷し、毎度のようにコメント欄で読者から論破されて逆ギレおこす広尾晃さんのウォッチしていきます。

『論争 若者論』(文春新書編集部)

卒業研究の計画書を書くので書店で参考になるような本を探していて見つけたもの。文春新書から発行ということになっているが、収録されている論考は「諸君!」から「論座」まで多岐にわたる。赤木という人の論考が「うーん」と思ってしまった。以下、どこが共感できなかったか述べてみる。
赤木の論考は左派批判であり、若者の右翼化は仕方のないことという。赤木によると、ネット右翼(若者)は貧困に苦しんでいるのに、左派が助けてくれない。だから若者は左派的な物言いに反発を起こすのだ。社会は自分たちを助けてくれない。どうすれば自分たちの苦しみから抜け出せるか。それが戦争であり、戦争により社会が流動化することを望むので中国と韓国へのバッシングに走るネット右翼になってしまう。
これは「論座」に収録されたものであり、赤木は現在の若者の代弁者として扱われている感があるが、同じ若者である私には共感しがたい。確かに90年代の不況によりフリーターにならざるを得ないのに、社会がまるでフリーターを怠けた存在であるかのようにバッシングするのは不当だと思う。また、左派が彼らを見落としているようにも感じるのは同じだ。しかし、中国や韓国をバッシングし、サヨク的な物言いに反発している人たちはそもそも左派に期待などしていないと思う。私が見るに、ネット上の中国・韓国バッシングは対日ナショナリズムへの反発であり、左派に反発するのも日本のナショナリズムには批判的なくせに、中韓の対日ナショナリズムには無頓着だからではないか。赤木の想定する因果モデルは、

  • 貧困→助けてくれない左派への反発→社会の流動化を望む→ネット右翼となり中韓バッシング

というものだ。そして、ネオリベ政府(自民党)にネット右翼(若者)がすがるのは労働利権求めているかららしいが、これもおかしい。左派には中国・韓国・北朝鮮には批判を加えてはいけないというイデオロギーがあり、中韓の対日バッシングが不当であるように思えても無頓着である。いくら右翼団体の連中でなくとも、というか一般人であってもテレビを通して映る対日ナショナリズムに反発をしてしまうのは当然のことだろう。対日ナショナリズムに唯一反撃してくれるのが右派だとしたら、彼らが右翼に「雨宿り」するのも理解できる。また、対日ナショナリズムには無頓着であるというダブルスタンダードな態度の左派の物言いに「偽善性」を感じ取り、反発をするのも理解できる。
以上、赤木のナショナリズム論というか最近の若者の右翼化分析に反論してみたが、共感できない理由はもしかしたら同じ若者といっても私は学生であるのに対し、赤木はロスジェネ世代のフリーターであることが関係しているのかもしれない。本当に赤木の世代は戦争による社会の流動化を望んで、右翼化しているのかもしれない。まあ、取りあえず言えるのは赤木はネット右翼ではない。赤木の同論考の中での「韓国、中国、北朝鮮といったアジア諸国を見下し」という一文からもわかる。ネット右翼中韓をアジアの代表として扱うのを嫌う。だからそれらのことを「特定アジア」と呼ぶのだ。赤木はそれぐらい知っているだろうに、中韓バッシングを「アジア諸国を見下す」といっている。彼らからしたら「アジア諸国」ではない。